バス風景を行く [5]

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21 豪雪の岩手。ボンネットバスが活躍

岩手県北自動車

Iwate

冬になると岩手では四輪駆動のボンネットバスが動き出す。
盛岡駅から北へ20キロ。岩手山のふもと八幡平から山への難所に役立つ。
急勾配をあえいで登りきった八幡平。スキー場へも大切な交通機関。

そして終点は一軒だけの温泉宿。
スキーで疲れた体を温泉でいやし、地酒で酔ってから休もう。
枕元で響く走行音の高きボンネットバスサウンド。
聞いて一晩過ごしたらどんな夢が見られることだろう。

写真は山を降りてきたボンネットバスいすゞTSD40。200でも22でもない、根っからの地元っ子、岩2ナンバー車だ。(高橋)


<2009年12月掲載>

22 尾瀬水芭蕉  6月

関越交通(上毛高原駅-沼田駅-吹割の滝-大清水)

Oze

夏が来れば思い出す、、、
尾瀬といえば水芭蕉、一生に一度は訪れたい場所のひとつだろう。
写真の場所は、尾瀬沼へのアプローチのひとつ、群馬側からの玄関口の終点、大清水。当バス停周辺だ。
尾瀬を歩くには体力と健康管理が必要。自信のない人や年配者には、ここ大清水は手軽に水芭蕉に触れ合うことの出来る場所。
新幹線上毛高原駅からバスで2時間。在来線だと水上駅から1時間半。この季節、沿線は八重桜満開、左手に上越国境の残雪の美しい山々を見ながら若葉色の新緑に囲まれた飽きのこない長時間の路線バスのバス旅。
終点で降りれば、地下水で冷やしたビール、岩魚の炭火焼、山菜天ぷら等など、疲れた後の楽しみも大きい。(高橋)
(東京からの直通高速バスもあるが季節運行。尾瀬沼山開きと同時に運行開始。この大清水界隈の水芭蕉季節には残念ながら運行はされない。)


<2010年 6月掲載>

23 夏の湘南海岸  7月

江ノ電バス藤沢 (鎌倉駅-七里ガ浜-江ノ島海岸-辻堂駅)

Enoshima

鎌倉市の七里ガ浜から藤沢市を経て茅ヶ崎市の柳島海岸に至る神奈川県有数の海水浴場、湘南海岸。
写真の場所は東より、鎌倉駅より辻堂駅行きに乗車して七里ガ浜バス停付近。国道134号線が海岸線を走り、前方には江ノ島と富士山が現れる。サーフィンの好ポイントであるほか、シラスの漁が盛んで、水平線の向こうで漁船が行きかう。
歌で歌われた、「真白き富士の嶺」の碑があり、抱き合う2人の子供が安全祈り、遊泳楽しむ人々を見つめている。(高橋)


<2010年 7月掲載>

24 清流四万十川を行く  8月

(有)高南観光自動車 窪川駅ー野老野ー(長野渡沈下橋)ー大野見  

Nagano_Chinkakyou

清流四万十川。増水で橋が流されないよう欄干のない四万十名物沈下橋。集落つなぐ生活路線のため沈下橋渡る路線が川の上流2箇所に存在する。暑さ厳しい夏に訪れたがカメラ構えてバスが来ること長時間待つ。
ガマンせず清流で泳いでみよう。冷たい水に足を浸せば小魚が散ってゆく。急流にもぐれば澄んだ水で向こう岸まで見通せる。但し急流なので流されないように要注意。
窪川駅出発して四万十川沿いに、田園地帯が広がりやがて険しい山々へと入り込む。狭隘かつ急カーブ急坂、そして切りとおしを過ぎると四万十川が広がり長野沈下橋を渡る。再び川沿いに、キャンプ場では子供たちが水遊びを楽しむ姿を見受けられ大野見役場終点となる。(高橋)
もう1箇所の沈下橋渡る路線は、土佐久礼駅ー大野見(久万秋沈下橋)ー萩中。子供たちが沈下橋から飛び込む姿が観光案内等で紹介されているがここは上流なので浅瀬のためバスとともにカメラに収めることは出来ない。


<2010年 8月掲載>

25 フルーツ街道。ラ・フランスの実のなる頃 10月

山交バス(株) 山交ビルー山形駅ー山寺駅ー芭蕉記念館前

Yamagata_Kotsu_Bus

山形県最大のバスターミナル、山交ビルを出発し山形駅、市役所と北上し馬見ヶ崎橋を渡る。9月には日本一大きな鍋を使った芋煮会が行われる会場、馬見が崎川。
国道13号線へ、一旦天童市に入り山形市との市境区間を東へ。30分ほど経つが家並みも途切れずニュータウンとは違い比較的古くからある住宅地を走る。
ようやく家並みも途切れ道の両側が果樹園の中を行く。夏の初めなら赤く美しい粒のさくらんぼの木。秋なら赤いりんご、そして全国どこでも見られるものではないだろう、緑の実がなるラ・フランス。ヘチマの実を思い出す姿だ。フルーツの香りにつつまれながら、山が迫ってくると山寺駅、そして終点芭蕉記念館前へ到着する。観光客も少なからず乗車しているが、山形でも有名な観光地、山寺へはこの路線バスを利用すると旅の思い出のヒトコマが増えるだろう。(高橋)


<2010年 10月掲載>


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