バス風景を行く [14]

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66 白川郷合掌造り集落 

展望台シャトルバス [白山タクシー合資会社]

合掌造りの集落に乗り入れるシャトルバス

茅葺屋根の瀟洒な合掌造りの集落としてはわが国最大。
主に高速バスが高山から富山、金沢など濃飛バスとその共同運行の会社が立ち寄る。バスターミナルは荻町の入口で集落までは入らないし昼間はマイカーも入れない。
但し集落を一望できる展望台行き展望台シャトルは、集落の中のスイレン池横より9:00から16:00の間20分ヘッドで展望台まで数分で一気に登る。
登れば集落は一気に見受けられる。
世界遺産文化遺産にも登録、一望した後は内部を見学できる民家もあるし、食堂、喫茶店、お土産屋として営業してもいるので気軽に入れる。一番の体験は民宿がいくつもあり宿泊するのが一番の思い出となるだろう。シーズンオフの冬場でも雪景色が美しく外国人のお客様が多い。
「本日の宿泊客は貴方がたった一人の日本人です」
囲炉裏を中心にいただく食事。自分が食べるとそのあとについて皆が真似して食べる。どうか良き日本人の手本となったのであろうか。

運行は白川村地元のタクシー会社、中型小型の観光バスも保有している白山タクシーが担当している。


<2019年 2月掲載>

67 千葉上総レンコンの産地、蓮畑を行く

千葉駅―柏崎―生実坂下―鎌取駅 [小湊鐡道]

千葉市・小湊鐵道バス

かつて千葉県上総地方は蓮(レンコン)の産地であった。
しかし千葉市郊外は宅地化でニュータウンとなり、房総地区も農家のレンコン造りの職人が減少して休耕地と化した。
そんな中、実生池には夏になると見事に花が咲きカワセミが戯れる。
県庁所在地、路線バスが多数行きかう千葉駅からバスに乗車し南下する。県庁過ぎると右手には京葉工業地域も見え街並みから住宅地へ。緑豊かな郊外地となり田畑の一部にピンク色の蓮の花が見えてくる。そして生実池に到着。池のほとりには夏祭りの準備なのかやぐらを組む作業が。
散策する傍ら船を押して職人が肩まで池に入り込む姿は並みならぬ作業だ。花の美しさを保てるように見えない根の部分、そうレンコン部分の根の手入れには余念がない。しかし船に乗せられているのは心無い者に捨てられたゴミや空き缶など。美しい花を守るために余計な仕事もしなければならない。
よくスイレン(水連)と間違えられるが池の片隅にスイレンらしき花も咲いていた。花の咲き方、葉の大きさや形が違い、見比べて違いを見るのも勉強になりそう。スイレンの場合は庭園の池など比較的身近に見受けられるが、葉がまん丸で水面に張り付いているのが特徴だ。


<2019年 6月掲載>

68 ポツンと一台バスは走る

城辺バスセンター―樫月下(かしづきした)[宇和島自動車]

広き海辺をポツンと一台のバスが行く 愛媛県愛南町

城辺の路線バス拠点、城辺バスセンターを発車すると一旦役場を過ぎて南宇和病院へ立ち

寄る。そして僧都川渡るとショッピング街が集中している町で一番賑やかな人通り多い中を突き抜けて左折して再び僧都川を渡り南下する。集落過ぎると山間の中へ上り勾配がきつそう、登り切ると宿毛湾を一望できる。

愛媛大学によるカツオやマグロの養殖が盛ん。今度は坂を下りると点在する集落が見えてくる。道路は崖と海の間に通している、道路は集落を結ぶためバスを通すため、そして集落の先が終点となる。ここには商店はなく急坂続きでたどり着くので自転車で町まで出ることもなくバスが生活の足となる。

再び折り返し便に乗ると待つ人いないバス停で停車。常連2人が乗るはずだと運転士さんは語るが案の定、後ろから走って来た。その先も常連が何組か乗って来て狭きマイクロバスの車内はいつもの変わらぬ世間話で花が咲いていた。

城辺は同社老舗の夜行バスうわじま号に乗ると終点が城辺。宇和島を過ぎるとこちらも途中静かな内海を右手に暫く眺められる。


写真:広き海辺をポツンと一台のバスが行く。場所は愛媛県の最南部、愛南町。


<2019年 12月掲載>

69 澄みわった谷川岳の空気

谷川岳ロープウェイ〜一ノ倉沢 [みなかみ町]

谷川岳アクセス用電気バス。

水上駅から関越交通の路線バスで20分。終点、谷川岳ロープウェイ駅。降りればロープウェイに乗り換える人、リュック抱えて歩いて行く人などそれぞれの目的地に。そしてここから一ノ倉沢までの電気バスが待機している。こちらのバスに乗る人は少数だが、数人が乗れば動き取れなくなりそうな小さなバス。

時間になると動きはじめ涼風が全体を癒す。夏季著しい暑さも忘れてしまうほどの涼しさだ。続く上り坂、カーブ続く急坂。リュック背にしている登山者に乗務員は手を振るし登山者も振りかえす。

一ノ倉沢は広き乗降場所。どこを見渡しても美しき緑の風景とおもいっきり空気を鼻からも口からも吸い込める癒しの場所。素晴らしき空気も緑も毎日のあわただしさを忘れたかの様なひとときだ。


この電気バス運行当初は、交通弱者のみ乗車できたが、今では誰でも乗ることができる。あくまでもみなかみ町の自家用なので、一律の金額を運賃に代わって募金箱に投入する。運行は関越交通が委託。バスに興味あってもここまで来たなら、バスは片道だけにしてどちらか一方は歩いて谷川の自然を満喫してほしい。


<2020年 7月掲載>


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